フランスで自然療法を学ぶには 3
-学習内容①-

校長先生には「フランス語力を問わない」と言われたものの、実際のところ、フランスの自然療法の学校に通うためにはどれくらいのフランス語力があればいいのでしょうか? 私がフランス語の検定試験を受けたのはずいぶん昔のことなので、入学当時の語学力がどの程度だったのか、正確にはわかりません。でも理想としてはフランス語で授業を聞いてノートを取ってまとめられるくらい、ということになります。

でも私はフランス語がいまでもそれほど得意ではありません。特に先生がスライドを用意していなかった場合は、話を聞きながらノートをとるのはほぼ不可能だったので、授業中に許可を取って録音した音声からノートを作っていました。つまりほとんどの授業を最低でも2回は聞いていたことになります。

授業時間は朝の9時から18時までです。途中少しの休憩とお昼の時間はありますが、1日7時間くらいの授業です。週末の2日間が終わると毎回グッタリでした。

私は16か月の集中コースではとても授業についていけないと最初から思っていたので、4年間の週末コースを選択。ただ、週末コースといっても毎週あるわけではなくて、2~3週間に1回くらいのペースです。

なお、集中コースですと授業は週に3日となり、のちに増設された週に2日コースだと、2年間で卒業できます。また、私の通っていた4年コースは今はなくなり、その代わりに3年コースになりました。どのコースでも授業時間はFENA規定の1,200時間なので、自分に合ったコースを選べばよいと思います。

ただ、授業時間は1,200時間ですが、予習・復習、定期試験の準備、卒論の執筆などがありますから、フランス人でも総学習時間は4,500時間とのこと。私の場合、平日と学校のない週末のほとんどは、授業の予習・復習、その他の準備に追われていましたから、私は一体何時間勉強したのでしょうか!?

学習時間の目安(CENATHOのパンフレットより)始まる前は「4年間って長いなぁ」と思っていましたが、終わってしまえばあっという間、今の3年間コースでも私には厳しかったかもしれません。これは私のフランス語力に加えて、私の性格、よく言えば丁寧、悪く言えば要領が悪いのですが、一つひとつ納得しないと進めないタイプだからだと思います。

でも4年間あったからこそ、学校で勉強しながら興味を持ったことへの勉強会に別途参加したり、学んだをことを確認するために友人・知人に実験台になってもらう時間も十分取れたりしたので、私には4年間で本当によかったと思っています。

フランスで自然療法を学ぶには 4
-学習内容②-

では実際に、学校では何を学ぶのでしょうか? 内容の概要は下記の通りです(CENATHOのパンフレットより)。

学ぶ内容が多岐にわたっていることがお分かりいただけますか?

この中で私が苦手だったのは解剖生理学や病理学の授業でした。わかれば大変おもしろく、身体の仕組みを理解することは、自然療法のカウンセリングをする上でとても大事なことなのですが、看護師になるための参考書なども使い、フランス語で臓器や骨の名前、病名などを覚えるのは、私にとってとても大変で辛い授業で、予習・復習も憂鬱で仕方がなかったです。

逆に食餌療法やビタミン・ミネラル、虹彩学、植物療法、精油辺りは、これも大変ではありますが、「自然療法っぽい」のでやる気満々で取り組んでいました。

その他、CENATHOの特徴は心理学が多いことのようです。次に皆が持っている生体エネルギーにどうアプローチするか、健康をどうホリスティックな視点でとらえていくか、ということに重点を置いていました。私にはこれらの授業は大変興味深かったのですが、こういうことは苦手、という人も多かったです。

CENATHOで不満だったことは、理論の時間が膨大なのに対し、実技の時間が少なかったことです。

平日コースですと、夏の講習会は1回だけなのですが、週末コースだと毎夏、つまり私は夏の講習会が4回ありました。ここで1週間みっちり実技をできるとはいえ、それでは足りないと感じ、個人的に友人・知人に頼んで実技をさせてもらったりもしていました。

あとは、実際に自然療法士として働いている人の近くでの研修もできたらよかったかもしれません。個人的に頼んですることもできたのかもしれませんが、そこまでの気力も時間も私はありませんでした。

でも経験は卒業してから試行錯誤しながら積んでいくものですし、学校を出てから理論をじっくり学ぶというのはなかなか難しいので、これはこれでよかったのかなと今は思っています。