私のカウンセリングの基本方針

同じ学校を出た自然療法士でも、そのカウンセリングの内容は違います。

私の出すアドバイスのほとんどは食事の内容の見直しです。サプリメントを出すことに私はとても慎重で、まずはできるだけ食事からと思っています。それでも改善されない場合、症状が辛くて耐えられない場合は、血液検査の結果を見たりしながらよく考えてサプリを提案しています。

日本ではほとんど知られていないかもしれませんが、フランスのDr.セニィアレが2012年に出版した、フランスでは超有名セニィアレ式食事療法について記した本

“L’Alimentation ou la 3eme médecine”(食べ物または第三の薬)は、まさにその通りで、普段私たちが口にするものこそが、健康にとって一番大切なことだと思っています。

ただし食材にかけられる予算、料理に使える時間、そして食べ方に対する哲学も人それぞれ。なるべくクライアント様のご希望に沿う、実践できやすいものをアドバイスするように心がけています。

食事同様に大切な運動についても、運動はまったくしたくないという人でも、軽い散歩をするところから始めたり、短時間でできるストレッチを提案したりするところから始めるように提案しています。

もちろん大気や水の汚染も深刻な問題ですが、健康のために田舎に引っ越すといっても、仕事や学校のためにそう簡単にはできません。でも食べ物(水を含む)や運動であれば、ある程度は何とかできると思うのです。

サプリメントもそうなのですが、精油やマッサージなど、外から与えられることはすべて、効果的なものだと思ってはいるものの、あくまで補助的・対処療法だと私は思っています。

健康を他者にゆだねるのではなく、健康に対して自主的に・意識的であることが一番大事なのであって、自然療法士はそのお手伝いをするというスタンスで私は日々カウンセリングをさせていただいております。

クライアント様の中には食事の内容は変えたくない、運動もしたくない、だからサプリを出してくれ、マッサージをしてくれといったことをおっしゃる方もたまにいらっしゃいます。実は私にとってそれは一番時間がかからない簡単なカウンセリングです。でもそれではお金を無駄にするだけで、私の良心には反することです。

私も日々悩みながらプログラムを作っておりますが、私が一方的に指示を出すのではなく、クライアント様と一緒に試行錯誤しながらも、本当の意味で健康になることをカウンセリングの目標としております。

生まれ持った体質と変化を見るには①

フランスの自然療法では、生まれ持った体質がどのようなものであり、それが環境によってどのように変化をしてきて今に至っているのか、顔の形や色味、体系、話し方、歩き方、過去・現在の既往症などから参考として見ます。

私の場合、普通は体に触ったりはしませんが、お話をしながら上記のことを観察しています。カウンセリング後のプログラムを組む上で、同じ症状でも持って生まれた体質や現在の状態によって取り組む内容が大きく変わってきますから、これらのポイントも考えたうえでプログラムを作っています。

誰でもできることですし、健康を考える上でなかなか役に立つことですから、2回に分けて、体質について簡単にですが説明したいと思います。

  1. CONSTITUTION – 生まれ持った体質を知る –

古代ギリシャの医師・ヒポクラテスが提唱した4つの体液説です。ヒポクラテスによると人間は以下の4つの体液があり、このバランスがよいときは健康であるが、崩れると病気になるという考えです。

Lymphatiques

(粘液質)

Sanguins

(多血質)

Bilieux

(胆汁質)

Nerveux

(黒胆汁)

膨張 収縮
  • Lymphatiques:がっしりした体型、穏やか、敏感、特に消化器系が弱い、手は柔らかく指は短く、湿っていて冷たい
  • Sanguins:がっしりした体型、情熱的、社交的、心臓系が弱い、手はがっしりしていて指は手のひらより短く暖かい
  • Bilieux:ほっそりした体型、筋肉質、攻撃的、肝臓系が弱い、手は四角くがっしり、指と手のひらの長さは同じ
  • Nerveux:ほっそりした体型で骨ばっている、心配性、神経系統が弱い、手はほっそりとしていて骨ばっており、指の方が手のひらより長い

SanguinsとBilieuxは生体エネルギーが高めで、LympathiquesとNerveuxは生体エネルギーが低めとなります。

CONSTITUTIONは生まれ持った体質で、生涯を通して変わりません。